細雪

久しぶりに細雪を読み返しました。最後の部分だけ読んだのですが…いい!!もう、あの「上方訛り」にめろめろです。細雪のよさは、大阪の者にしかわからないのでは?と思ってしまう程なのですが、いかが?
細雪

「この帯やったら、帯締どれにしょう」
「それでええやんかいな、早う、早う、―」
「そない急からしゅう云わんといて。急かされたら尚のことかあッとしてしもて何も彼も分からんようになるがな」
「そんでどうや、中姉ちゃん、息して御覧」
「ふん、ほんに、―」
妙子に云われて、幸子は頻りに息をしてみながら、
「ほんに、これやったらどないもあらへん。―何でやねん、こいさん

これをちゃんと読めるのは、やはり大阪人でないと…でも谷崎は東京生まれ。さすがです。