歌と板画

もう、あと、椅子の本を買ったら、ちょっと禁止令を出さないと…懐に一足早い秋が…。で、「歌々板画巻」(谷崎潤一郎歌 棟方志功板)です。以前、実物を数点観たことがあるのですが、とても面白くて、随分見入ってしまった記憶があります。ただ、それらには色がついていましたが。歌の方は、それ自身よりも、谷崎の人柄の一端が知れる、という点で興味深いのですが、板画はどれもすてきです。いくつか気に入ったものを挙げておきます。(板画が気に入ったものも、歌が気に入ったものもあります。)

  • 庭先の石のはさまに蜥蜴の尾みえかくれして梔子の咲く
  • 母恋ふとわれは来て泣く三月堂の不空羂索観世音のお前に
  • 願わくは空に人工衛星の翔る日に生きてあらばや